きものの袖のはなし
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こんにちは。
きもの おお又 です。
今回は、きものの袖にまつわるお話を少々、語りたいと思います。
まず、長い袖の袋になっている部分を、袂(たもと)と呼びますね。
袖や、袂(たもと)が使われる言葉は、日本にはたくさんあります。
例えば、
「袂を分かつ」
袂を付けあうように親しくしていた者同士が、別々になることを意味する慣用句。
「ない袖は振れない」
実際にないものはどうしようもないことを意味する。面倒を見たいと思っても、力が及ばないことに例えられている。
「袖にする」
相手をないがしろにしたり、冷淡にあしらったりすることを意味する。
「袖の下」
人目につかないように袖の下から贈るもの。わいろ。
「袖触れ合うも多生の縁」
道を行くとき、見知らぬ人と袖が触れ合う程度のことも前世からの因縁による、という意味。
「袂に縋る」
願いを聞いてもらうまで離すまいと、人に袂をとらえることを意味する。
時代劇のセリフをよくよく聞いていると、出てくる言葉もありますね。
さて、きものの袖が長いことにも、歴史があります。
平安時代=最初に袖が長くなった時代。袖口を長く、広くすることが、裕福で力を持っていることの象徴とされた時代。
鎌倉時代=実用的になり、袖が短くなった時代。
江戸時代=踊りの衣裳として振袖が作られ、再び袖が長くなった時代。
現代=未婚女性のフォーマルな振袖は袖が長い時代。
ちなみに、
成人式が始まったのは戦後1950年代。
美智子妃のご成婚で振袖が大ブームになり、成人式の衣装として定着したそうです。
まだまだ、日の浅い文化であり、
まだまだ、形を変えつつ発展する文化だと思えますね。
成人式(振袖)文化の未来に期待したい、今日この頃です。
※ 参考資料「教養としての着物」/上杉惠理子
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