三百年の時が紡ぐ、京友禅の矜持



皆さま、ようこそお越しくださいました。
きものサロン おお又 松菱店でございます。

今日は、私どもが新春の催しでお迎えする、
京都の至宝「千切屋吉右衛門(ちきりやきちえもん)」
さんについて、少しお話しさせてもらいますな。
京の雅をそのまま形にしたような、それはそれは素晴らしいお家柄なんです。

ちょっと長うなりますけど、京の風を感じるようにお付き合いくださいませ。



【三百年の時が紡ぐ、京友禅の矜持】

「千切屋」というお名前、京都では知らぬ者のいない名門中の名門どす。
その歴史を遡れば、室町時代から続くお商売の絆に辿り着きます。
吉右衛門さんは、江戸時代の中期、享保年間に暖簾を掲げられてから今日まで、三百年近い月日をひたすらに「美」のために歩んでこられました。

京都の室町という場所は、着物の聖地。
そこで育まれたのは、単なる商品としての着物やございません。職人の誇りと、それを受け継ぐ主(あるじ)の審美眼が一体となった、「纏う芸術品」どす。

吉右衛門さんの着物を広げてみますと、そこには京都の四季がしっとりと息づいています。
「はんなり」という言葉がございますな。派手すぎず、かといって地味やない。内側から光がこぼれるような、品格のある明るさ。吉右衛門さんの京友禅は、まさにその極みやと思います。

職人の手技が織りなす「美の魔法」
魅力は何と言っても、一切の妥協を許さへん職人技どす。
下絵を描く方、糊を置く方、色を挿す方……。それぞれの工程に、人生をかけた熟練の職人さんがいらっしゃいます。吉右衛門さんは、その一流の個性を束ねる、いわばオーケストラの指揮者のような役割。

一筆一筆、心を込めて挿された色は、現代の化学染料では決して出せへん「深み」と「透明感」を湛えています。
古典的なお柄を大切にしながらも、今の時代を生きる女性が袖を通したときに一番美しく見えるよう、配色のバランスが実に見事なんです。

「お母様からお嬢様へ、そしてその次へ」 そんな風に、時代を超えても決して古うならへんのが、吉右衛門さんの着物の不思議な力どすな。

【2026年、新春の出逢い】

さて、そんな憧れの吉右衛門さんの作品が、今度の『京都きもの物語』にやってきます。
今回は特別に、プロデューサーの藤井保氏もお越しくださいます。
作り手の想いや、お柄に込められた物語を直接聞ける機会なんて、滅多にございません。

「私にはまだ早いかしら…」なんて思わんといてくださいね。本物の美しさに触れることは、心の栄養になります。袖を通した瞬間に、背筋がすっと伸びて、心まで雅な心地になる……そんな魔法のような体験を、ぜひ皆さまに味わっていただきたいんどす。

新しい年の始まり、三重の地で京都の真髄に触れる贅沢。
皆さまの「運命の一枚」を一緒に見つけるお手伝いができましたら、これ以上の幸せはございません。

松菱百貨店で、皆さまのお越しを、首を長うしてお待ちしております。
どうぞ、よろしゅうお頼申します。



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